今回はこれからボディメイクをしていい体になりたいと思った時に、脂肪を減らすことと、筋肉を増やすこと、どちらを優先するべきか悩む人も多いと思います。
結論から言えば、脂肪を減らすことを優先することを強くおすすめします。
よく、「先に筋肉を増やした方が痩せやすくなる」などの声も耳にしますが、こちらについても解説したいと思います。
以下の人は是非参考にしてみてください。
- 軽肥満または肥満で体を絞りたい人
- 細マッチョを目指したい人
- 筋トレ経験があまりない人
本当に筋肉を増やした方が痩せやすくなるのか?
ダイエットを始めるなら、まずは筋肉を増やしてからの方が効率が良いと言う話はよく耳にします。
しかし、どれほどの効果があるかはあまり知らない人も多いのではないでしょうか。
筋肉が増えれば、基礎代謝が上がり、消費カロリーが増え、痩せやすくなると言う理屈はごもっともです。
その効果を知るためには、明らかにしなければならない点が2つあります。
初心者が筋トレで増やせる筋肉量とそれに伴う基礎代謝の増加量です。
それぞれ見ていきましょう。
初心者が増やせる筋肉量
どれほど効率よく筋トレを行っても、1年で増やせる筋肉量には限界があります。
また、筋トレ歴が長くなり筋肉量が増えるほど、1年で増やせる筋肉の量は少なくなっていきます。
もし仮に毎年同じ量の筋肉が増えるとしたら人間としての形を保っていられませんから当然ですよね。
1年で増やせる筋肉量の上限は以下のように言われています。
トレーニング年数 | 1年間でつく筋量 |
1年目 | 9.0 ~ 11.2 kg |
2年目 | 4.5 ~ 5.2 kg |
3年目 | 2.2 ~ 2.7 kg |
4年以上 | 0.9 ~ 1.3 kg |
初心者であれば増やせる量は多いですが、どれだけ効率的に筋肉を増やせたとしても、1年で10kg程が限界です。
半年であれば6kg程度でしょう。
「ダイエットを始める前に3ヶ月筋トレをしよう!」と思い立ったとしても、増やせる筋肉の量は知れていますよね。
それ程に筋肉は増やすのが難しいものなのです。
地道な努力と継続が必要ですので、数ヶ月でいきなり体がでかくなることはありません。
もしそのようなことがあったとすれば、筋肉と一緒に増えた脂肪が原因だと思っていいでしょう。
基礎代謝の計算方法
続いては筋肉が増えることによる基礎代謝の増加です。
基礎代謝は次のような式で求められます。
男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593
つまり、男性であれば体重が10kg増えた時に基礎代謝の増加は130キロカロリー程度です。
2ヶ月で脂肪が1kg落ちる程度の消費カロリーです。
女性の場合は90キロカロリーなのでさらに少ないです。
そもそも1年で10kgも筋肉が増えません。
つまり、ダイエット前に筋肉を増やそうと思っても、筋肉はそんな簡単には増えないし、増えたとしてもそれで増える基礎代謝の消費カロリーは微々たるものなのです。
脂肪を減らす方が簡単で早い
ダイエットは正しい方法で行えば月に2〜5kgくらい簡単に落ちます。
ファスティングや糖質制限のような極端な方法でなくても、健康的に無理のない方法でもそれくらいは落ちます。
筋肉を10kg増やして、基礎代謝が上がっても2ヶ月で1kgしか落ちないのですから、どちらが効率がいいかは言うまでもありません。
脂肪の減少量
脂肪を1kg落とすには7200キロカロリーを消費する必要があります。
毎日の食事を減らして、消費カロリーと摂取カロリーの差を500キロカロリーにできれば、2週間で1kgの脂肪を減らすことができます。
つまり1ヶ月で2kgは減らすことが可能です。
1日の消費カロリーは基礎代謝からある程度予測することができます。
デスクワークが中心の生活であれば基礎代謝の1.2倍、立ち仕事や普段軽い運動をする人は1.5倍が目安です。
つまり、1日の摂取カロリーを自分の基礎代謝×1.2-500以下に抑えればいいのです。
筋肉を増やしてから脂肪を落とすのは上級者向け
筋肉を増やしてから脂肪を落とす手法はボディビルダーの多くが取り入れています。
彼らは大会に向けて効率的に筋肉を最大化する目的で行なっています。
長年の経験を基に、毎回工夫や調整を行いながら増量と減量を行なっています。
体は年齢や環境の変化によっていつも一定ではないため、毎回同じ方法で成功すると言うことはありません。
知識、経験、努力があってこそなし得る方法だと言っていいでしょう。
増量期と減量期を分ける狙い
先ほどもお伝えした通り、筋肉は増えれば増えるほど、増えにくくなっていきます。
人間としての許容量があるためです。
無限に筋肉が増えたら人としての形を保てませんからね。
ボディビルダーの方々は既に多くの筋肉があり、更に増やすのは容易ではありません。
それでも筋肉を肥大化させるために増やすことだけに注力したいわけです。
多少の脂肪の増加も承知の上でしっかり食べてトレーニングをして筋肉を大きくします。
そしてその後の減量期には体脂肪率1桁台を目指して体を絞ります。
お腹には皮一枚張り付いた状態になるまで体を絞っていきます。
もちろんこれは大会に向けて行うもので、その状態を常にキープするわけではありません。
大会が終わればしっかり食べてある程度体脂肪も戻します。
大会時に最大限体脂肪率を減らした状態にしたいため、増量期と減量期を分けて行うんですね。
大会を目指さない一般人が真似していいようなものではありませんね。
モチベーションを保つのが難しい
始めに筋肉をつけようと思うと、どうしても体重は増えていきます。
また、食事量も増やす必要があります。
ダイエットをしたいと思い立ったのに、体重は増えるし、それでもいっぱい食べなきゃいけないしで正直どうしても焦ってきます。
「このまま続けていいのか?」と、不安になる人が大半だと思います。
また、筋トレは成果が出にくく、成長の実感を得るのが難しいです。
もちろん、扱える重量が増えたり、行える回数は増えていくでしょうが、見た目の変化は脂肪がついた状態だとなかなか分からず不安になります。
早くても3ヶ月ほど経過してからしか、見た目の変化を感じるのは難しいでしょう。
それに比べて体重を減らすことに重きを置けば、見た目の変化はすぐにでも現れます。
早ければ1週間、遅くても2〜3週間後には変わってきたなと感じるはずです。
変化を感じることはモチベーションに直結します。
不安を感じながら筋肉を増やすことに注力するより、早めに脂肪を落としてモチベーションを上げる方がダイエットの成功率が高いです。
脂肪を落としてからの方が筋肉をつき方がハッキリと分かるため、筋トレのモチベーションも上がるはずです。
ダイエット中の筋トレは必要
筋肉を増やすことと、脂肪を減らすこと、どちらを優先するべきかは圧倒的に脂肪を減らすことだとお伝えしてきました。
しかし、脂肪を減らすことが優先だからといって筋トレをしなくていいと言うわけではありません。
ダイエットをするのであれば筋トレは必須です。
筋肉を増やすことは難しくても、筋肉を維持することに努めるべきです。
筋肉を維持する
痩せた後に筋肉まで減ってしまっていると、見た目にメリハリがなく、どうしてもかっこいい体にはなれません。
筋肉を維持することで痩せた後も引き締まった良い体になることができます。
また、痩せた後に筋肉を増やしたいと思った時にも0から始めるより筋肉を出来る限り残した状態で始めた方が効率がいいです。
栄養を筋肉に回す
筋トレをすることで筋肉が損傷し、その筋肉を補強するために栄養が使われます。
つまり、栄養を余らずことなく効率よく使用できるため、ダイエットにも効果的なのです。
筋肉は運動だけでなく怪我の予防にも必要なため、出来るだけ維持しながら痩せることを目指しましょう。
まとめ
今回は筋肉を増やすことと、脂肪を減らすこと、どちらを優先するべきかについて話しました。
見た目を良くしたいと思い、ダイエットをしようと思う人が多いかと思います。
脂肪を減らす方が見た目の結果が現れやすく、体重などの数字からもモチベーションが保ちやすいです。
また、肥満解消は健康面でも大切ですので、いち早く脂肪を減らすことに取り組むのが良いです。
脂肪をある程度落としてからでも筋肉を増やすことは可能です。
痩せた後に必要であれば筋トレをして理想の体を目指していきましょう。
筋トレ初心者の方でプロテインを飲むべきか迷っている方は是非こちらの記事も参考にしてみてください!
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